転職活動を始めようと思っている方、転職活動中の方。
働く園を選ぶときに、『家族経営か』という点は気にしていますか?
今まで働いた園が家族経営で大変だった…という方以外は、あまり気にせず就職する方が多いと思います。
そして気にせず選んだ園が家族経営だったというパターンはよくあることです。
この記事では、実際に家族経営の幼稚園やこども園で働いた私が、家族経営の園で働くことのデメリットをお伝えしています。
もちろん家族経営=すべて良くないという意味ではないので注意。
家族経営だからこそのメリットや素敵な園もあるはずです。
あくまで個人的な見解もあるので、園選びの参考程度にしていただければと思います。
園選びのポイントについての記事はこちら▼
家族経営の園って?
保育園における「家族経営」に特に定義があるわけではありません。
一般的には一つの法人が運営している保育園で、複数の家族や親族が働いていることを表しています。
例えば、同じ法人が運営する園がいくつかあって、それぞれの園の園長が全員親族。
1つの園内でも、園長と主任のツートップが夫婦の場合などは多いです。
保育士が家族経営の園で働くデメリット
家族経営の園が、なぜデメリットが多くなってしまいやすいのか原因をお伝えします。
(もちろん家族経営の園すべてにあてはまるわけではないのでご注意ください。)
・公私混同しやすい(身内に甘い)
・経営者家族の考えや価値観が絶対で、反対意見は言いにくい
・閉鎖的になりやすい
・身内以外は理不尽な扱いを受けやすい
こういったことが起こりやすいのが、家族経営の特徴です。
実際そういった園で働くとどういったデメリットがあるのか見ていきましょう。
※理事長や園長など家族経営の上の立場の人たちを『経営者』と表現しています。
昇進・役職に就くのが困難
身内でかたまっている上の役職が空くことはほとんどないでしょう。
交替するとしても、新しい身内が入ってくる可能性が大です。
実際に過去に働いていた園で、園長が体調不良によって変わったことがありますが、保育の経験や知識もない園長の息子さんが就くことになりました。
経験やスキルを高めても、ある程度のところまでしか昇進は難しいのが現実だと思います。
給料など待遇面での格差
実際の給料はわからないので何とも言えません。
ですが給料やボーナス、手当金の金額等、経営者の采配で決められる部分もあるので、スキルや経験に関係なく身内だけ金額が高いということもわりとあるようです。
他にもお金の面で公私混同がひどくなると、
「園の経費でプライベートで使う車や家電を購入」「身内だけ給食費を払わない」
こういったことがまかり通ってしまうことも。
私自身が働いてきた園では発覚したことはありませんが、短い期間で車がかわる園長をみていて、疑惑が出てもおかしくないなと感じていました。
実際まわりの園で園の経費を園以外に使っていたといった話はわりと聞きます。(最近はだいぶ厳しくなってきているみたいですね)
ブラックといわれるようなことも見逃されがち
経営者の考えに意見できないことが多いので、コンプライアンス意識が働きにくいです。
・パワハラ・セクハラ
・サービス残業強要
・休憩や有休なし(あっても書類上だけ)
・不当な解雇
これらのことが起こったら問題になってもおかしくないですが、見逃されてしまうことが多いのが現実です。
「それが当たり前だ」「あなたがおかしい」とこちらが責められ、
洗脳されかけていたことも…
気をつかいまくる
家族経営とか関係なく上司には気をつかうことが多いと思いますが、家族経営の場合、経営者はもちろんその身内にも相当気をつかいます。
家族経営だと身内同士で情報が筒抜けなことも多いからです。
経営者家族に気に入られれば働きやすくなることがありますが、嫌われると一気に居心地が悪くなり、最悪の場合退職に追い込まれることも…
園長や身内のお子さんが園に通っているケースもわりと多いので、そうなるとさらに気をつかうことになります。
保育への考え方や価値観が閉鎖的になりやすい
経営者がワンマンだったり、こだわりが強いタイプだったりすると、園全体もずっと同じ考え方や価値観でこりかたまっていきます。
(反対に新しいことに影響を受けすぎて方針や考えがコロコロ変わり、振り回されるパターンもありますが…)
私が働いていた家族経営の幼稚園は、良く言えば「伝統ある」悪く言えば「時代遅れ」の保育を続けていました。
他の先生たちも経営者の考えが絶対。
冷遇されないように「経営者受けのいい保育」をすることが第一優先といった感じでした。
そんな感じで経営者に対して「その考えはおかしい」と反対意見をいえる立場の人がいないので、改善されることもありません。
異動などで影響力のある新しい風が入ってくる可能性が低いのもつらいところ…
新規採用するにしても、決めるのは経営者。
当然自分に意見してきそうな人ではなく、素直で従順そうな人を採用するわけです。
経営者が考えを変えようとしない限り、現状が良くなる可能性が低いので、もし働いていて合わないと思ったら早めに見切りをつけたほうが良いかもしれません。
家族経営ってどうわかるの?
社会福祉法人の園に多いです。
①園のホームページなどで、理事長や園長の名前をみてみる
②見学に行った際に役職者の名前(苗字)を確認
→苗字が一緒だった場合、家族経営の可能性が高いです。
③知ってそうな人に確認する
・保育業界はわりとせまいので、他の園の情報を知っている先生も多いです。
・実際に園を利用していた保護者の方がいれば聞いてみるのもいいです。
(保護者目線で良い経営者でも、先生目線だと良くないこともあるので注意)
④転職エージェントを利用する
家族経営のことに限らず、園の内情を知っていることが多いので、担当者に確認してみましょう。
おわりに
家族経営のデメリットについてお伝えしてきましたが、最初にお伝えしたとおり、家族経営=良くないというわけではありません。
家族同士で経営することで、連携がとりやすかったり、アットホームな雰囲気で働けたりするというメリットもあります。
大きな法人だと、家族経営の特色をあまり感じない可能性もあります。
なので家族経営だからという理由だけで選択肢から外すと、素敵な園との出会いのチャンスを逃してしまうことも…
実際に見学してみて感じたあなたの直感を信じてみるのが1番です。
自分だけで自分に合った園を選ぶのが大変なら、転職エージェントなどのサービスを利用してみるのも1つの手ですよ!
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